道草
仕事でお客様から3000円もらった。
もともとクレームで来たおばちゃんだったが、話を聞いてると身の上話をし始めた。
「旦那が死んでしまって、文京にある戸建てを売ってマンションを買った」
「息子が3人いるけど3人とも独立して結婚している、しかも3人ともかなり良い仕事をしている」
そのおばちゃんをよく見ると身なりが綺麗で指元にはかなり大きなダイヤモンドの指輪をしていた。
彼女は「値段っていうのは案外いい加減じゃない」と言っていた。
同じ種類のものでも100円高いだけでも変わるらしい。
食べ物にしても家具にしても少しでも値段が高いとやはり高いなりの満足感があるようだ
若い頃は無我夢中に働いて、旦那さんのところに嫁いでから今の生活があるようで
苦労人の感じもした。
帰り際に「寿司食いなさい」と言いこっそり3000円を握らせてきた。
キムタクが如くの世界と現実世界の区別がつかなくなってきた